2020年5月6日水曜日

STAYHOME生活の中で、唯一読み終えることのできた本



おはようございます。本日は、今春卒業した33期生君からの紹介です。寄稿、ありがとうございます!それでは、みなさん、お楽しみください。

〇 長いSTAYHOME生活の中で、唯一読み終えることのできた本だ。そんな中で考えるのは、ウイルスのように蔓延る言葉への違和感だ。そもそも「STAY」は留まるというイメージが先行するし、「自粛」という言葉も確かに自己決定の上で「家」にいるのだけど、存在そのものを自粛しているわけではない。だがそう言った言葉が、人々の間を媒介すればするほど、そのイメージが重たい鎖となってしまう。今は、そんな閉鎖的な空気が心の中にもあると感じる。

僕はというと、自分を律することができず時間だけを浪費してしまうことがある。今までは忙しさの中で本を読んでいた。が時間に意識的でなくなると読書のスピードも入りかたも変わってくる。日常が音を立てて崩れる中、そんな怠惰な日々を過ごしている。

高校卒業して、さてどうしたもんかな、と自分の針路を手探りしている今現在だが、なぜ僕が進学の道を取らなかったかというと「まとまらない」から。考えも、興味関心も、僕という存在事態が、言葉(概念)の中ではまとまらない。内面世界は刻々と移り変わる。

一時期は「まとまらない」自分を、社会的な目と擦り合わせようとして少々辛かった時期もあった。けれど僕と同じような「まとまらない人」がいることを知って、嬉しくなったし、想像力がビンビンに刺激された。体の全細胞の総体として僕がいるように、体の底から湧いてくる民主主義がある。そんな風に思えた本です。よければどうぞ。

『まとまらない人-坂口恭平が語る坂口恭平-』リトル・モア (2019/11/18)です。

※   坂口恭平さんは、2004年に路上生活者の住居を撮影した写真集『0円ハウス』を刊行。以降、ルポルタージュ、小説、思想書、画集、料理書など多岐にわたるジャンルの書籍、そして音楽などを発表している。現在は熊本を拠点に活動。2023年に熊本市現代美術館にて個展を開催予定しています。