2020年5月2日土曜日

頭をガツンとやられた、一冊



おはようございます。今日は、高3の「るか」君からの紹介です。るか君、寄稿、ありがとう。それでは、みなさん、お楽しみください。

〇 こんにちは、高3の2の岩井路加です。この休校中に読んで、頭をガツンとやられた〜と思った一冊を紹介します。

『十代に共感する奴はみんな嘘つき』最果タヒ/文春文庫/2019.5.10

主人公の唐坂和葉は17歳の女子高生。ある日、和葉は、隣のクラスの陸上部の男子、沢くんに告白するが、彼の返答が雑だったために「告白しておいて数分で自らフる」という荒業を成す。そんな和葉に、距離を置く友達、つきまとう沢くん。そしてなぜか、クラスで浮いた女子の初岡とまで関わり始めた。考えては誰かに呆れ、誰かに呆れては考える和葉の言葉が、どこに至るのかを追った物語。

青春だって、実はレールが敷いてあるのかもしれない。この小説を読んで思いました。“青春”は、本当は自由で、楽しいことも苦しいことも、いつかは懐かしくなる存在かもしれません。でも実際には誰かが定義した“青春ってこういうものだ”にしばられてしまいます。僕は、そうした定義に縛られて、はたして自分が“青春”し尽くせてるのか考えて、苦しいときがあります。

僕たちの横にはいつだって、憧れの青春の形があります。青春を通過した“元若者”や隣の誰かに、定義されて作られた“青春”がある。だから僕たちは、今の自分とその誰かの“青春”を比べて、不安になって、“陽キャ陰キャ”や“#アオハル”なんて言葉で、自分や他人や今の瞬間を枠にはめて、わかった気でいる。でもその定義って、本当に今を楽しむなら邪魔なのかも。そう思うとすごく楽になれました。本と音楽と、勉強に囲まれたこの自粛の日々も、青春っぽくないけど、悪くはないかもしれない。学校のみんなには会いたいけど。

ぶっちゃけ、言葉を少し引用するだけでネタバレのような気がします(笑)。著者と登場人物によって編み出された言葉の一言一言自体が、この小説のミソだからです。これを読んでいるあなたも手にとって、この本の159ページに敷きつめられた言葉に、全身を浸してほしいです!


※最果タヒさんは、詩人・小説家。2008年、京大在学中に『グッドモーニング』(新潮文庫nex)により当時女性では最年少の21歳で中原中也賞を受賞。2014年、『死んでしまう系のぼくらに』(リトル・モア)で現代詩花椿賞を受賞。詩を使ったシューティングゲームを公開、現代詩とメディアアートの融合もはかっている。

▲   明日は、高1の「新平」君が登場します。お楽しみに!