
おはようございます。ヒトラーが率いたナチス・ドイツによる人種差別政策のもと、ホロコーストの象徴となったアウシュヴィッツ強制収容所。そのアウシュヴィッツが開放されてから、今年は75年目を迎えます。本書はアウシュヴィッツを生きのびた姉妹の実話を描いた絵本です。
『ふたりの約束: アウシュヴィッツの3つの金貨』プニーナ・ツヴィ、マーギー・ウォルフ文、イザベル・カーディナル絵、金原瑞人訳 西村書店 (2020/1/29)
トビーとレイチェルはユダヤ人の姉妹。強制収容所でむなしい労働に明け暮れる。働けない者を待つのは死。心の支えは、3枚の金貨の入ったブリキ缶です。両親がナチスに連行される前、本当に必要なときに使うよう、姉妹が絶対離れ離れにならないようと3枚の金貨を渡された姉のトビーは、どんなことがあっても、ぜったいに妹のレイチェルといっしょにいることを約束します。
ナチスが両親を連れ去り、姉妹はアウシュヴィッツ強制収容所に送られます。そこではおそろしい危険が待ち構えていました。友だちとつらい労働に耐えながらも、希望を胸に生きる日々。ところがある日、レイチェルが病にたおれ、連れていかれてしまいます。トビーは死を覚悟して妹を助けようとしますが……。
著者は、カナダに暮らすマーギー・ウォルフと、イスラエルに暮らすプニーナ・ツヴィ。二人はいとこ同士で、それぞれの母親が、本書の主人公である姉のトビーと妹のレイチェルです。
本書の絵を手がけたのは、イザベル・カーディナル。デジタル・コラージュという独自の手法でこの物語を表現しています。「この感情にうったえかけてくる大切な物語を伝えるため、色調は意図的に”グレー”にしたそうです。
解説はNPO 法人ホロコースト教育資料センター代表 石岡史子氏が書いています。