
おはようございます。本日は、8期生の西澤真樹子さんからの紹介です。西澤さんは知る人ぞ知る、在校生の中でも『「ホネホネたんけんたい』(骨の写真絵本シリーズ)などで知られる「なにわホネホネ団」団長です。どうぞ、お楽しみください。
『好奇心の部屋 デロール』今森 光彦 文・写真 福音館書店 (2008/11/20)です。
〇 こんにちは、8期生の西澤真樹子といいます。在校時に図書館で読んだ雑誌『GEO』の創刊号にあった写真がきっかけで、現在は大阪にある市立自然史博物館で働いています。その写真とは、ある海外の博物館の古生物展示室。寝袋にもぐり、恐竜の下で思い思いに眠るたくさんの子どもたちの様子でした。今でこそ日本でも夜の水族館や動物園、博物館を開放するイベントは多くなりましたが、こんな世界があるんだ!と羨ましくて釘付けになったことを覚えています。いつか博物館でナイトミュージアムを実現させよう、という夢は私の心にガッチリ根を下ろし、本当に実施してしまいました(写真)。

さて、私がどうして博物館に惹かれ続けているのか、それは自森の中で図書館と並んで入り浸っていたもう一つの空間、理科研究室のせいでしょう。最近、自森を訪れる機会があったのですが、窓からのぞいた “理科研”には、動物・植物・鉱物・昆虫に分子模型、色あせた地図が理科機器の間にひしめき、謎のタネが発芽しそして枯れ、骨格標本がぶら下がり…とにかくごちゃごちゃと大量のものがあって、誰かに語られる機会を待っている。そんな当時の佇まいが残されていたのに嬉しくなりました。人間が地球の成り立ちを知るために様々な事物を蒐集して出来上がる空間、これはまさに博物館の始まりです。今回は、博物館的な本の入門編として一冊ご紹介します。
舞台はパリ、200年以上続く標本屋「デロール」です。かつて学校向けの教材や昆虫採集、標本用品を販売していた店舗は、次第に剥製や標本そのものを取り扱うようになり成功をおさめます。廊下に並ぶ動物や鳥たち、磨かれたキャビネットにきらめく昆虫たち。剥製用の義眼、小さな虫眼鏡など、並ぶ物全てが心をくすぐります。写真は昆虫写真家・切り絵作家としても有名な今森光彦さん。街中で偶然出会ったこの店に静かに強く惹かれていく様子を、写真家の目を通して追体験できる本です。10年ほど前、ご本人にお会いする機会があり、この絵本が好きだと話したところ、実際にはもっと大量の写真があり一冊の本にしたかったのだとか。実は、デロールはこの取材後、火事で焼失し再建されています。かつての姿の記録として、この幻の本が出版されますように願っています。
私と同じ8期生で、今ドイツで剥製士として働いている相川稔くんの記事が「季刊 もりのあと No.27」に載っています。そちらも合わせてどうぞ。
https://www.jiyunomori.ac.jp/morinoat/morinoat027/html5.html#page=3