おはようございます!本日は、イタリア在住のプロダクトデザイナーで、かつ作家である、佐藤まどかさんによる
『一○五度』佐藤まどか/著(あすなろ書房)です。
著者の佐藤まどかさんは、1987年に単身でイタリアに渡り、奨学金を得てミラノのDOMUS ACADEMYプロダクトデザイン科に入学します。1990年にはデザインスタジオをミラノに開設、医療器具、時計、家具、内装などのデザインを手がけ始めました。画期的な構造によるデザインを得意とし、特許を取得したプロジェクトが多いです。2000年トスカーナに拠点を移動。ソファやイージーチェアなどファニチャー分野のデザインを中心に、住宅内装、展示会内装、インテリア小物、時計などをデザインします。日本においても2004年に六本木テレビ朝日ビル展示会場UMUにて展示会。ガラスのアクセサリーで富山クラフトコンペ審査員賞、シェーズロングでSuMobベストセレクションなど受賞しました。
・・・と同時に、2006年、『水色の足ひれ』で第22回「ニッサン童話と絵本のグランプリ童話部門大賞」受賞して作家デビュー。以後、おもに児童文学・YA作家として活動しています。2020年、今年、『アドリブ』で第60回日本児童文学者協会賞受賞しました。(『アドリブ』は、7/22に紹介しています。)
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本書の主人公・真(しん)は、椅子デザイナーを目指す中学3年生です。
同じく椅子大好きで原寸模型を作る女子・梨々(りり)と出会い、彼女をパートナーとし、真たちは、中学生ながら「全国学生チェアデザインコンペ」へ挑戦します。
真は、別の進路を強制する父との確執や、梨々との「チームを組む」ことの難しさに悩みますが、昔、椅子職人だった祖父をはじめ見守ってくれる周囲の大人たちの支持を受け、・・・人と人との繋がりは一方的ではなく「相互にちょっと寄りかかりあうバランス」が最適だと気付いていきます。
そして、彼らは、椅子の背もたれの角度を「人」が支えあう文字の一〇五度に決め、コンペに出品します。
父の紹介するプロを通して、デザイン業界やクリエイターのシビアな現実に触れ、それでも自分の行くべき道を踏み出す主人公の真摯さが、私たちの心に響きます。
