2020年10月16日金曜日

ジュリアがつむいだもの

おはようございます!本日の紹介作品は

『ジュリアが糸をつむいだ日』リンダ・スー・パーク著(徳間書店)です。

韓国系のアメリカ人で中学生女子のジュリアは「楽農クラブ」の自由研究を親友の男子パトリックと行うことになり、子どものころカイコを飼ったことがある母の勧めでカイコを育てて生糸をとることにします。

しかし、実は、ジュリアはテーマが「韓国ふう過ぎる」と思い、あまり乗り気ではありませんでした。それでも、パトリックとの研究が始まるとカイコがかわいくなってきて、やがて夢中になってきます。

彼女は、この体験を通して、母親が桑の葉をくれる黒人老人へ向ける偏見や、大切な親友パトリックとの関係、そして、どうしようもない悪戯っ子の弟との関係に悩み、気持ちが揺れ動きます。

そのような体験を通して、「知らないのに決めつける」、それが差別意識のもとだと気づいたりします。

彼女は、人種差別、友情、自らのルーツやアイデンティティ、「循環型農業」と生命についてと、・・・だんだん考えを深めていきます。

本書は、彼女のお喋りに付き合うように身近に読め、読後改めて表紙絵を見ますと、児童画のように見えますが(笑)、彼女の心底からの願いが伝わってきます。おススメ、です。