おはようございます!本日は、雑草の花にスポットを当てた本です。この本を手にした時、雑草とはこんなにも美しかったのかと思わず感嘆の念を禁じ得ないでしょう。どうぞ、ご覧ください。
『もっと美しき小さな雑草の花図鑑』多田多恵子/著 大作晃一/写真 山と渓谷社
この本は、『美しき小さな雑草の花図鑑』の第2弾です。その「もっと美しき」ヴァージョン。
本書も花の色で各章が構成されていています。項目ごとに連なっている黄、白、青、紫、赤、緑、茶色と色彩豊かな花たち。その美しさは、文字通り光り輝く宝石のようです。
どうして、大きさ数ミリから数センチしかない小さな被写体である雑草の花を、ページいっぱいこぼれんばかりにかつ鮮明に収めることができたのでしょうか。それは、自然写真家である大作晃一氏が被写体の前面から奥までピントが合う深度合成という手法で撮影をしたからです。
そして、美しいだけではない深遠な雑草の世界を詳しく解説してくれるのは、植物学者の多田多恵子さん。この図鑑でさらに雑草の世界を身近に感じられます。
例えば、白コーナーからは、「真昼の線香花火」竹似草、「春の妖精」二輪草、赤コーナーからは、「おしゃれな和菓子のパッケージ」苗代苺、「お辞儀をするお姫様」溝隠、・・・等々の表現に花の特徴を言い得ていて、読んでいて夢中になります。また、茶色や緑の花の多くは「怪しい客相手の商売」で、乱暴者のキイロスズメバチが常連さんらしいです(笑)。
こうした雑草の花の色や形ですが、送粉者や競争相手が代わるだけで全く違ったものになります。また、雑草たちが子を残す戦略として、性のあり方を選択することで変化が起きることも分かって興味もいっそうふくらみます。
知れば知るほど、奥が深くて個性的な雑草の世界ですが、雑草の未来は安泰かというと必ずしもそういうわけではありません。地球温暖化や水や環境の汚染、野生のシカによる食害など雑草を取り巻く環境にも新たな脅威は迫っています。
しかし、厳しい生存競争を生き抜いてきた雑草たちのことです。私たちのかたわらで、これからもへこたれることなく何とか共存していくでしょう。あなたの身近にひっそりと咲く雑草の花の世界があります。
そうそう、この図鑑の利点の一つは、コンパクトということです。コロナ禍ソーシャルディスタンスの社会ですが、植物にはどれだけ接近しても問題がありません(笑)。今は、この図鑑を片手に、美しき小さな雑草の花たちを窓口として、植物に親しむ絶好の機会とも言えるかもしれません。どうぞ、お楽しみください。
