2020年10月19日月曜日

オオカミを「森」へ

おはようございます!本日の紹介は、

『オオカミを森へ』キャサリン・ランデル著 原田勝訳(小峰書店)です。

時代は革命前夜の帝政ロシアです。

帝都の近くの森深くで、「オオカミ預かり」というオオカミを森へ帰す仕事をする母娘がいました。

残忍な将軍が現れ、オオカミを保護した罪で母は逮捕され、帝都の刑務所へ送られます。

12歳の娘フェオは、オオカミたちと元少年兵と共に、母を取り戻す旅に出ます。

「昔、今から百年ほど前のロシアに、髪も瞳も黒い、嵐のような少女がいた…」

雪の降り続く森をオオカミの背に乗り駆ける少女が描かれた表紙のように、物語は森の冷気の中、オオカミの野生の血をたぎらせてクライマックスへと突っ走ります。

各章のモノトーン魅力的な挿絵が読者を深く惹きつけます!

オオカミに乗るのは、世界に立ち向かって闘う少女。オオカミは高貴なる野生の友です。息つく間もなく襲う危機にもめげず、少女はなぜ闘い抜いたのか。

もちろん、母の救出があります。と同時に、彼女が帝都の子ども達へ吶々と呼びかける訴えが熱いです。

「未来は自分たちで守らなきゃならない。こわれやすいものだから。未来を守るには、みんなの力が必要よ」「わたしたち子どもにも、自分が暮らしたい世界を求めて闘う権利はある。あぶないことはするな、分別をもてと言う権利はだれにもない。今日、わたしたちは闘います!」

YA諸君へ、読後、この言葉はどのように響くのでしょうか。