おはようございます!本日紹介するのは、
『ZENOBIA(ゼノビア)』モーテン・ヂュアー:文 ラース・ホーネマン:絵(サウザンブックス社)です。
本書は、シリア内戦を描いたグラフィックノベルです。内戦下に生きた少女の物語です。
無謀な数の人々を乗せた難民船がシリアから脱出します。その中に膝を抱えてすわる、少女アミーナ。どうやら家族はいなくて一人のようです。やがて船は大きな波に捕まり、傾き、難民たちは海に投げ出されてしまいます。勢いよく背中から海にぶつかり、そのまま沈んでいくアミーナ。海深く連れ去られながら彼女は、これまでの日々を思い浮かべています。
・・・何度もママとしたかくれんぼ。アミーナはかくれるのがとっても上手です。
教えられながらシリア料理のドルマを一緒に作ります。昔はお肉も入っていたけれど、今はお米だけ。仕方ないのに、お世辞が苦手な困ったパパ。でも、笑顔が優しい。
そして、ママがよくしてくれた、国を守った英雄の女性ZENOBIAの話。アミーナはZENOBIAに憧れます。
ある日両親は兵士に連れ去られてしまいます。残されたアミーナ。おじさんは彼女を連れて、村を逃げ出します。なんとか国を離れようというのです。やっとたどり着いた漁村でおじさんは漁師にお金を全部渡しますが、それで乗れるのは一人だけ。おじさんは、アミーナを乗せてくれます。
だけど、アミーナはせっかく乗れた船から投げ出され。・・・彼女が沈んでいく海底には、ZENOBIAという名の船。・・・残されたページは海の青で染められていて、何も描かれてはいません。・・・
この作品は、世界17の国や地域で翻訳された北欧グラフィックノベルです。子どもの目線で描かれた不条理な現実。繊細なイラストと言葉で紡がれるメッセージは、国境を超え、あらゆる世代の心に 戦争の意味を投げかけます。
今、コロナウイルスのことで「忘れられた!」感のある難民のこと。今一度、想像力を。本書は2019/10/21に刊行されました。たった1年前です。
