
おはようございます。今日は、元同僚の理科教員、現「生きもの写真家」の安田 守さんの作られた、とても興味深い写真絵本です。『うまれたよ!モンシロチョウ』『うまれたよ!アゲハ』『うまれたよ!アリジゴク』『うまれたよ!オトシブミ』『うまれたよ!ナナフシ』に続く、最新作。どうぞ、ご覧ください。
『うまれたよ!シデムシ ~よみきかせ いきものしゃしんえほん39~』安田 守 写真・文 岩崎書店
《安田さんの本書へのコメント》
「シデムシと聞くとオオヒラタシデムシあたりを思い浮かべる方がいるかもしれませんが、今回取りあげるのはモンシデムシ(ヨツボシモンシデムシ)、小動物の死体を埋葬して子育てをするシデムシです。
興味深い生態をもつモンシデムシは以前から取り組みたいと思っていたテーマでした。ところが実際に取り組み始めると、わからないこと、うまくいかないことが次々に出てきます。
モンシデムシは研究でよくとりあげられてきた虫なので、基本的なことはわかっているだろうと思っていたのですが、文献を見てもわからないことが意外に多い。このシリーズは幼虫の成長がメインテーマなのですが、「成虫による子育て」が書かれたものはたくさんあるのに「幼虫の育つさま」はどこにも書かれていなかったり。
で、トラップかけて、飼育して、データを集めることからはじめて、幼虫の成長の場面を想像し、撮影する方法を考える。そうやって試行錯誤を繰り返していると、あるとき見たことのなかった姿に出会うことができる。それを写真に撮る。場面がつながって物語になって本ができていく。
こうやって書いていると、親シデムシの口元に向かって競い合うように伸び上がる幼虫の姿や、親が発する「チーチー」という鳴き声を思い出します。
今回は編集途中でコロナが流行しはじめ、本になるのはいつになるだろう、できるのだろうかと心配しましたが、リモートワークという制約の中で進めてくださった編集者さん、出版社、印刷会社の方々のおかげでここまでたどり着きました。手にとって見ていただけたらうれしいです。よろしくおねがいします。」← 生きもの写真家 安田守の自然観察な日々6/18から
本書は、驚きの連続です。見開きごとの写真が興味をかきたてます。小鳥くらいの大きさのヒミズ(モグラの仲間)の死体を子育ての住処と餌にするためにずるずると引っ張っていく小さな一匹のシデムシ。地面に穴を掘って埋め、毛を取り除き、肉の団子に作り変えてしまいます。産み付けられた卵から幼虫がはい出し肉団子の上で立ち上がり、親シデムシが吐き出すスープを何度も何度も食べます。その時に親は「チーチー」と鳴きながらスープを与えているのですね。食べたらうんち。肉も食べるようになった幼虫のお尻の先から出る泥水のようなうんちも初めて見ました。すごいなあ。そして、ガラスのように透明なサナギの美しさ!何度も何度も繰り返して見てしまいます。