2020年7月26日日曜日

こども六法


おはようございます。6/6、7/10に続いて1期生の須藤倫子さん、3回目のご登場。須藤(旧姓・小迫、通称:ちゃこねえ)さん、ご寄稿、ありがとうございます!皆さん、どうぞ、ご一読ください。

『こども六法』 山崎聡一郎/著  伊藤ハムスター/イラスト 弘文堂  2019年

憲法や子どもの権利条約の理念的なことは、自由の森でいろんな機会に持たれる議論の中で触れられることは割とあると思う。でも、実際法律上ではどうなってるの?といった面へ考えをめぐらせることって案外ないのでは?

これは小中高生のための実用書として、どこまでも具体的に作られている法律本。こんなときどうすればいいの、頼りになる法律ってあるの?私が在学中に少し年下の図書委員に「俺、フィクションて全然読めない。役に立つ本しか読もうって気にならない」と言われて驚いたけど、あの当時の彼もこれなら「けっこう使えるかも」ってパラパラ見てくれそう。

いま私が司書として勤務している小学校の図書館では、もう8歳くらいから人間関係をときほぐすための実用書をものすごく必要として、どんどん借りに来る。友だち関係を円滑にし、学校生活をサバイバルしていくための解説書、攻略本。つまり自分の身を守る本。この『こども六法』もそんな1冊として10歳くらいの子から読まれている。「自分用にほしくて、買ってもらっちゃった」と報告に来る子も何人もいる。学校で、家で、つらい思いをしている子が自分の置かれている状況を知るために、自分じゃなくても友だちに寄り添うために、すぐ使えるテキストなのだ。

著者は小学校でのいじめ被害者で、中学では加害者になってしまった経験を持つ。社会学を学んで、あの頃法律をきちんと知っていれば、被害者のままでいなくても済んだし、加害に流されそうになった時に踏みとどまれたかもしれないと思ったそう(被害者から加害者に転じた人なんて信じられない!と思う人もいるかもしれないけど、その時置かれた状況次第で人は思いがけない行動もしてしまうものだし、そういう弱さを乗り越えていくためにもこんな本を読んで知識と行動するための力を身につけていくことはすごく重要)。

これからの子どもたちにそのことを伝えたいという強い気持ち、法律は君の味方だという主張がまっすぐ伝わってくる本。

ベストセラーだからと敬遠しないで1度手に取ってみてほしい。