
おはようございます。今日は、6/7、6/14、6/30に登場した29期生の牛田悠貴さんの「現代ラテンアメリカ文学・紹介」の第4弾です。すっごい!ありがとう、うっしー。皆さんも、どうぞご一読を。
『大統領閣下』ミゲル・アンヘル・アストゥリアス/著 集英社
グアテマラの作家、ミゲル・アンヘル・アストゥリアスの長編、『大統領閣下』を読みました。とにかく、どスレートに独裁政治が描かれています。昔、グアテマラに実在した独裁者をモデルにしているんだとか。
ただ、独裁者本人というよりは、独裁政権下で人々がどう生きているのか。というところに焦点を当てた作品と言えるかも知れません。
この作品、なんだか主人公が誰なのか、はっきりしないんです。この人物中心に話が進んでいるなあっていうのはあるのですが、それが『主人公』なのかって言われると微妙な感じ。なんて言うのか…。空気感なんですよね。1人の人物の行動とか心理っていうよりは、全体的な空気感に引き込まれる。そんな感じです。
読んでいる間、ずっと地下通路をランプ1つ持って歩いているような緊迫感があります。全体的に暗くて、こわい。
たまに登場人物の幸福感を描く場面もありますが、なんというか、その描き方は独特な感じがします。
現実世界では決して幸せを得ることの出来ない人々が、なにか幻覚のようなものの中に幸せを見出さざるを得ない…。みたいな。多分、それは読まないと伝わらないですね(笑)
えげつなくリアルに、死にゆく人や残される人の心情、そして絶望を与える側の事情が描かれます。
たまに現れる幻想的な文章に戸惑いつつも、比較的一気読みしやすい作品かも知れません。というか、一回読むのやめると、「さあ、もっかい読むぞ!」って中々なれない気がします。
読んでて、痛々しさに耐えられない人もいるかも知れません。決して無理はせず…!でも読む価値アリです!是非。