2020年7月21日火曜日

ザリガニの鳴くところ!


おはようございます。本日は、原書の売り上げが500万部を突破し、2019年アメリカで1番売れた本『ザリガニの鳴くところ』の紹介です。どうぞ、ご一読ください!

『ザリガニの鳴くところ』ディーリア・オーエンズ/著 早川書房

本書は、1969年、ノースカロライナの湿地で男の死体が発見されたことから始まります。

疑惑は、村人から「湿地の少女」と呼ばれ、偏見や好奇の目にさらされ続けてきたカイアに向けられます。彼女は幼い頃に家族に置き去りにされ、麻袋いっぱいの貝を掘ってお金を得るぎりぎりの生活をしてきました。読み書きを教えてくれたテッドとの別れを初め、圧倒的な孤独の中、未開の地に生きてきたのです。

物語は、捜査・逮捕・裁判と展開する1969~1970年と、カイア6歳の1952年以降の彼女の成長を追う話が交互に進み、やがて、衝撃の結末へと至ります。

濃密な湿地の自然、そこに息づく無数の命。その脈動と自分の鼓動を重ねて生きる、学者であり詩人でもあるカイアの姿は、ザリガニの鳴くところ…という場と共に、強烈に私たちの脳裏へ刻まれます。

想像するしかない、カイアの人生の壮絶さ。彼女はその人生を、彼女自身の手で開き続けてきました。差別も貧困も裏切りも、何ひとつとして彼女のことを貶めることはできなかったのです。

孤高の人生の、その気高さに心が打ち震える。

傑作!です。