
おはようございます。本日は、50人の日常をさりげなく、深く、描いた『フィフティ・ピープル』(亜紀書房)の韓国の若手作家、チョン・セランさんの『保健室のアン・ウニョン先生』です。作者が「私はこの物語をただ快感のために書きました。」という本書。どうぞ、皆さんもお楽しみください!
『保健室のアン・ウニョン先生』チョン・セラン/著 亜紀書房
養護教諭のアン・ウニョンが新しく赴任した、ソウルのはずれにある私立M高校。この学校には原因不明の怪奇現象や不思議な出来事がつぎつぎとまき起こります。
本書は、霊能力を持つアン・ウニョンがBB弾の銃とレインボーカラーの剣を手に、この高校の財団の御曹司で同僚の漢文教師ホン・インピョと共に、さまざまな謎や邪悪なものたちに立ち向かう、痛快な連作短篇集です。
謎の地下室、胡散臭い英語教師、悪い虫を採る転入生…等の奇想天外な物語の中から、高校生達の抱える思春期の悩みや、教員の抱える気苦労、世間の片隅に弾かれた人々…への温かい思いが伝わってきます。
人間の抱える「ぐにゃぐにゃしたゼリーみたいなもの」、見たくなくても見えてしまうものから目を逸らさず、互いに自分のできる優しさで接する二人の先生。
暗い幼少期を過ごしたウニョンが「めっちゃ走り回る少年マンガのキャラ」のような「ウニョン先生」となる道を選んだ経緯が、胸に迫ります。