おはようございます!本日は、
『チョウはなぜ飛ぶか』日高敏隆/作 舘野鴻/カバー・扉画(岩波少年文庫)です。
作者は小学生の頃、家の周りに飛んでくるアゲハチョウには飛ぶルート(チョウ道)があることに気がつきました。近所の大人の助けを借りて、そのルートを丹念に記録し、分析して少しずつ謎を解き明かしていきます。
やがて大学で学生を指導する立場になってもその追求の姿は変わりません。
オスはメスのどこを見て惹かれるのか。羽の模様の色や形を模したモデルをたくさん作り、つきとめるあたりは実験科学の真髄を示していると思われます。
作者・日高さんの文章のうまさには定評があり、読みやすいです。
ただし、あとがきにあるように、作者は「研究で何がわかったかということではなく」「いろんな失敗やばかばかしいまちがいを書きたかった」そうです。面白いなあ。
日本における動物行動学の草分け的な存在である作者が45年前に書いたものを、さらに高校生向けに「新版」として22年前に出されたものが底本となり、今回、岩波少年文庫化されました。
あらたにエッセイが加わり、繊細な描画でカバー・扉画を手がけた舘野鴻氏が解説を寄せており、本文とともに味わい深い一冊となっています。ご一読を。
