2020年11月11日水曜日

ダイエット幻想

おはようございます!本日は、高3の大西りょうさんの寄稿です。りょうさん、ありがとう!

『ダイエット幻想』磯野真穂/著(ちくまプリマー新書)です。

選ばれたい、愛されたい、その為に 痩せたい。

本書ではダイエットを通して私たちが抱く承認欲求を見つめ、特に女性たち承認欲求の中にある危うさについて指摘し、食べ物や身体を数値化することで世界から彩りを消し去り、食べるという生きるために必要なものを失っている、ということを警告している。

 私たちが抱く承認欲求は必ず他者との無限比較によって存在している。それは「わたし」というものはそもそも他者との差異によって生まれたものであるからしてどう足掻いても承認欲求から逃げることは出来ない。

その中で痩せることが何故承認欲求を満たす事になるのか、それは現代に生きるものなら言葉にせずとも気付くであろう。現代には痩せることによって好きな人と付き合えただとか、カースト上位のクラスメイトと仲良くなれただとか、そんな物語で溢れていて、痩せることは「選ばれる」そして「愛される」事だと皆が認識していく。特に外見によって評価が大きく左右され、男性から「見られる」視点を内面化し自身のアイデンティティを確立させる女性はその「差異の欲望」に飲み込まれていく。

そして、ダイエットとは食べ物と身体を数値化せずにはいられない。数値化の概念によって”おいしさ”や食事によって感じる背景を薄れさせてしまう。それに気が付かぬままでは生きる彩りを失う事になる。食べることは生きることである。だからこそ他者との差異によって生まれた欲望に全てを振るまう必要はない。

本書は素晴らしく客観的に、ダイエットに潜む私たちを解き、視野を広げて、俯瞰させ、世界を変える方法を教えてくれている。ただ、外見によって窮地立たされている女性の半数は 「そんな事言われても、」と思うのではないか。恥ずかしながら私は本書が説く自分らしさをまだ、受け入れられずにいる。認められたい。愛されたい。残酷な結末を招いても。

貴方は、どうですか。