おはようございます。17期生の山口洸さんが寄稿してくれました。「ある日、図書館のブログが復活して、Facebook上に通知されるようになったので驚きました。楽しく読ませてもらっています。恩返しということではありませんが、寄稿させて頂きます。」いやあ、とっても嬉しいです、洸君!~という次第で、次の3冊を紹介してくれました。洸君、ありがとう! 皆さん、どうぞ。
〇 あなたは好きな人と初めてデートに行くとしたらどこへ行きますか。私はかなり高い確率で映画館に誘うでしょう。政府の調査によると中高生が初デートに映画館を選ぶ確率は、自由の森学園がペーパーテストを導入するより高いそうです。
学校同様、多くの映画館もCOVID-19の影響で休業を余儀なくされました。
とくに大きな資本が運営するシネコンに比べ、経済規模が小さいミニシアターが受ける被害は深刻なものでした。そんな危機を救うべく「Mini-Theater AID基金」が立ち上がり、クラウドファンディング(Web上で賛同者から資金を集めて企画を実現させる手法)で国内最高額となる約3億3千万円を調達しました。これは図らずも映画館という場所の重要性を可視化する貴重な機会になりました。
さて、今回は読むと映画館に行きたくなる小説を3冊紹介します。
「映画編」金城一紀著 集英社文庫
これは短編集で、実在する幾つかの映画が各話の中心に据えられています。いつ、だれと、どんな映画を観たか。それが思いがけず自分の人生に大きな影響を与えることがあるのです。
「キネマの神様」原田マハ著 文春文庫
この小説を原作にした映画を、志村けんさんと菅田将暉さんのW主演で山田洋次監督が撮影する予定でした。しかし3/26に志村さんがCOVID-19の治療に専念するために主演を辞退、その4日後に帰らぬ人となりました。
「映画小説集」村上龍著 講談社文庫

こちらも短編集で実在する映画が各話に登場しますが、物語に深く関わるわけではありません。どの話でもヤザキという男の日常が繰り返し回想され、まるで機械仕掛けの悪夢を観ている気分になります。しかし、ふとした瞬間にヤザキの心情と映画の断片が重なり合います。それはスクリーンに映った幻のようで、あまりのあざやかさに息をのむことになるでしょう。
この小説を短い言葉で紹介するのは難しいので、詳しくは一緒に集録されている解説に譲りたいと思います。なんと、この本の解説はかつてWebに存在した「龍声感冒」というHP(現在は閉鎖)に掲載された読者の感想がそのまま転記されています。こちらも一読の価値があります。
最後に小説から少しだけ文章をお借りします。
“どんな映画がかかっても、大好きな人たちと大好きな映画館で一緒に観られる。 それが、人生最良の映画、なんだ”

