
おはようございます。今日は、5/2に登場した高3のるか君が再登場。「問答無用でレッテルを貼り付けてくる社会」との闘い方も教えてくれる漫画を紹介してくれます。皆さん、どうぞご覧ください。
『ブルーピリオド』山口つばさ/著 アフタヌーンコミックス 講談社
スクールカースト上位で、成績もよく、人当たりも良くて、充実した学校生活を送る主人公、矢口八虎。しかし、充実感と同時に、満ち足りたような自分の毎日にどこか空虚な思いも抱いていた。ある日、通っている高校の美術室にかけられた一枚の絵に、八虎は心奪われる。おもいきって、絵画の授業で“夜の渋谷”を今の自分の全力を投じて描こうとする彼は、そのうち本格的に“美術の世界”に飛び込んでいく。芸大受験スポ根漫画。
ゴツゴツとしたタッチが魅力の絵柄。主人公八虎の芸大受験への道と、ゲイでトランスジェンダーの八虎の親友が進む道の、二本筋が印象的なストーリーは、美術のノウハウだけではなく、問答無用でレッテルを貼り付けてくる社会との闘い方も教えてくれます。
この『ブルーピリオド』って漫画は、要するに、毎日充実して楽しい!みたいな・・・明らかに人生楽しんでいて何の苦もないような人が、実は苦しんでいて、空虚だなぁ・・・っていう毎日に、急に絵画っていう存在が降りてきて、絵画に出会って、絵画の世界に行きたいって思い始めた男子高校生が芸大受験を志す、という漫画です。
主人公が最初は人生をものすごく楽しんでいて、明らかにハッピーな方向に進むようなのに、急に絵も物語のトーンも落ちて、で俺には何もない・・・どうしよう・・・?みたいな展開となり、そうなんだ、実は彼はそう考えてるんだ・・・?と主人公の心境が僕には意外に感じられて。でも、その通りなのかな?と。
今の世の中「陰キャ」「陽キャ」とか、明るい人、暗い人・・・ネクラとかオタクとか・・・「陽キャ」は明るい人で・・・明るいっていうか、人生楽しそうな人で・・・。ポジティブとネガティブみたいな考え方があると思うんですけど、そういう人たちってそういうことしか考えてないんだろうなって、ポジティブな人はポジティブだけ考えているんでしょ、ネガティブな人はネガティブだけ考えているんでしょっていう考えで、でも、やっぱりポジティブな人はネガティブなことも考えるし、ネガティブだって思っているような人も時折ポジティブなことも考えるし、人って見た目だけじゃないんだなって感じられる、それぞれの人の思想が見える漫画だなって思いました。
色んな人の中に人生がいっぱいあるんだなって思えるような作品だと思います。
それは、絵画の面だけじゃなくて、表現っていう意味で、LGBTの問題、ゲイの方だとか、レズビアンの人だとか、ジェンダーに悩んでる人たちだとか、そういう人たちの問題を、主人公のヒロイン役・・・と見せかけて実は親友の男子がLGBT問題についてとか、漫画の中で俺ってこんな表現の仕方でいいの?とか、俺、男なのに男に告って、男だからって振られて、自分って何なんだろう?なんで絵画ばっかり描いてるんだろう?ってそういうシーンがあったりして。
とにかく、山口つばささんって作者の絵もそうなんですけど、この作品から「色んな問題に向かっているな」っていうのを感じられます。それでこの作品を薦めたいです。