2020年8月16日日曜日

私と妻とある盲人


おはようございます。今日は、高3の築地晃生君からの紹介です。晃生君、4回目の寄稿、ありがとう!1回目5/14は内田樹の本、2回目5/19はSF、3回目6/24は再び内田 樹の本、そして、今回はレイモンド・カーヴァーの短編小説です。ご一読ください。

『大聖堂 (村上春樹翻訳ライブラリー) 』レイモンド・カーヴァー/著 中央公論新社

レイモンド・カーヴァーの短編小説集『大聖堂』中の表題作「大聖堂」は、「私と妻とある盲人」の関係性によって展開される。

盲人は妻の顔を執拗にこねくり回した。それは彼女が盲人の助手だったからであり、なにより彼女がそれを許したからだ。

これから盲人は私と妻の家に泊まりにやってくる。私の家に盲導犬に連れられているような盲人が来るなんてぞっとする。

愛する相手の瞳に自分の姿が映らない女の気持ちって、いったいどんなものなんだろう。悲劇。

盲人は黒眼鏡をしていなかった。近寄ってみてみるとその瞳は眼窩の中で終始彼の意思とは無関係にきょろきょろと動き回っていた。

盲人と酒を飲む。ヤクをまわす。

ショッピングバックから玉ねぎの皮が落ちる。彼はアムウェイの販売をやっていた。

それから、テレビに映る大聖堂の姿を盲人に伝える必要があった。盲人と手を重ねペンを走らせ、大聖堂を描く。私も目を瞑る。妻は不審に思っているだろう。ただ、目をあけるつもりにはならない。

「たしかにこれはすごいや」
レイモンド・カーヴァーは猫背だ。緊張していて、震えている。おまけにアルコール中毒の男だ、云々。
上に書き出したものは一短編集の一作品の一部を僕なりにまとめたものに過ぎない。

本当はもっと汚くも生温かい愛に触れている作品だ。