2020年8月1日土曜日

「普通」って何?



おはようございます!
今日の「図書館ブログ」は、「普通」から少しずつズレている家族が、次第に、水を縫うように、「普通」の呪縛から解放されていく物語です。たゆたうように、ご覧ください。

『水を縫う』 寺地はるな/著 集英社

松岡清澄(きよすみ)は、刺繍が趣味の男子高校生。松岡家は祖母、母、姉、そして清澄の四人家族です。一見、堅実でマジメ、平穏な日々を過ごす「普通」の家族ですが、それぞれに「普通」にくくれない所があります。「普通」から少しずつズレています。

清澄は何よりも針仕事が大好き。姉の水青(みお)は、かわいいものが苦手で、ヒラヒラしたドレスなんてもってのほかというタイプ。「子どものため」に手間ひまかけるのは面倒くさいと思う母親・さつ子。さらに「自由に生きたい」と願う祖母。ちなみに、離婚して出て行った父親には、経済力がありません。

「普通」・・・。「普通」を押し付けられることの違和感。わかってもらえないことの閉塞感とあきらめ。そもそも、「普通」って何でしょう。「普通」はこうだという決めつけを見なおおせたらいいですね。
・・・
そんな彼らでも「普通」のフィルターを通して、他者を見てしまうこともあります。

彼らは、悩みつつ、さまざまな出会いや体験を通して、次第に「普通」の縛りから抜け出して行きます。自分と他人を等しく認められるように。「わからないことに触れることは楽しい」と言いあえるように。

水の都・大阪で、時によどみ、時に波立ちながら、水を縫うように心を寄せ合う家族の物語です。