おはようございます!今日は、多種多様な自然の生き物の成長のかたちから、人間にとっての「学ぶこと」や「大人になること」の意味を考える、そんな一冊です。お楽しみください。
『生き物が大人になるまで』稲垣栄洋/著 大和書房
自然界の動物や植物は、さまざまな個性をもって「成長」していきます。一方で、人間の「成長」は、得てして順番を競ったり、平均値と比べたりと、画一的なものさしで計られることが多いようです。本書では、そんな人間の「成長」について、驚くほど多様で面白い生き物の成長の仕方から学ぶことを試みます。
著者は『生き物の死にざま』『面白くて眠れなくなる植物学』など、自然科学系の著書多数の稲垣栄洋(植物学者、静岡大学教授)さんです。
本能に頼る虫は、生まれながらに正確な行動をとることができますが、想定外の環境の変化に対応できません。
知能に頼る動物は、学ぶことで環境の変化に対応しますが、成長に時間がかかり、しかも正しい行動をとれるとはかぎりません。
植物は、・・・例えば、イネは、草丈を伸ばすという成長、穂を実らせるという成長というように、異なるステージから構成されます。
では、改めて、哺乳類は、・・・2億年前からそんなに変わっていないのらしいです。
2億年前に哺乳動物が手に入れた「知能」は、生命が生きるためのシステムです。生きるための「知能」を働かせるためのもっとも基本的な情報は、自然からしか得られません。
また、哺乳類は、遊びから生き方を学んでいきます。例えば、キツネやライオンなど肉食動物の子どもたちは、兄弟でじゃれ合ったりケンカをしたり、よく遊びます。遊びながら成功と失敗を繰り返し、獲物を獲る方法や、仲間との接し方を学んでいきます。
ところで、生物の脳は、AIに負けてしまうのでしょうか。AIがすべての問題を解決するためには、膨大な情報を入力する必要があります。人間の「経験」は、そのAIの情報量を上回るのです。想定外に対応できるのが、人間の強みです。
では、脳を育てる、成長する力はどこにあるのか?成長は、時期が来ればするものであって、頑張ってするものではありません。自分の「成長する力」を見つめ、「成長したい」という声に耳を傾けてみるとよいかも知れません、・・・と、著者は語ります。
本書には、「成長とはなにか」「学ぶとはなにか」「大人になるとはなにか」を考えるヒントになる物語がつづられています。
