おはようございます!今日は、スマホに依存して生きている中学生が、仲間や自然生活との出会いで変わっていくひと夏を描いた物語です。ご一読を。
『世界とキレル』佐藤まどか/著 あすなろ書房
スマホもネットも使えない山奥の洋館で過ごす、スペシャルサマースクール「森の家」。
新時代をよりよく生きるため、先入観にとらわれない人材育成を目標に、7人の中学生が同じ環境、同じ食べ物、同じ服装、同じコンディションの中で、夏休みの3週間を過ごします。
参加者は全員制服着用。私服不可。
食事は自給自足を原則に、オーガニック食材を使用した特別メニュー。ジャンクフードは禁止。
デジタル・デトックス(デジタル機器の使用を控えていくこと)のため、スマホ・PC・タブレットは没収。
両親とは週1回、固定電話で通話可。
母の策略により、このサマースクールに幼なじみの鏡花と一緒参加させられた中学2年生の舞は・・・。
世界とキレルとは、・・・今の世の中、スマホやパソコンが使用不可になったら、本当に世界と切れる!という感じです。これらの機器類への依存度は、コロナ禍でますます増加の一方です。
スマホは、舞にとって「窓」だです。世界と繋がっている「窓」がなくなった彼女は、こんな生活は収容所のようで耐えられないと、ある朝、脱走を試みます。まだ暗いうちから、そっと外へ出て歩き始めました。林道をいくと、車で追いつかれ捕まるので、森の中を林道に平行に進むことに、少し歩いたあと、足もとを滑らせ斜面を転げ落ちてしまいます。大木に当たって止まるが、全身が痛くて、その場で動けなくなってしまいました……。
生身の人間との友人関係か、SNSで繋がる仮想の人間関係かという問題、そして、人にはそれぞれの個別の日々があり、個別の悩みがあり、そこには個別の物語があるのだ!ということが描かれています。
舞はいとこの鏡花ちゃんにコンプレックスをもっていて、また、母親には言いたいことをいえませんでした。いろいろな環境で暮らす中学生が集まることで、一見恵まれた生活のように見えてもその人なりの悩みがあり、舞はみんなと話すことで前向きになっていきます。
彼女は、自分で頑張るだけでなく、周りの人に頼ることも大切だと感じるようになり、家に戻った後、スマホやSNSだけでなく、母親との関係も変わっていきます。
