2020年9月18日金曜日

ぼくたちがギュンターを殺そうとした日

おはようございます!今日は、「子どもたちの間の同調圧力といじめ」「大人が果たすべき役割」など、現代にも通じる問題を、第二次世界大戦終戦直後、混乱期のドイツの農村を舞台に描いた作品です。ご一読ください。

『ぼくたちがギュンターを殺そうとした日』ヘルマン・シュルツ/作 徳間書店

第二次世界大戦終戦後、主人公のフレディは、両親とうまくいかず北ドイツのリューネブルクの南にあるおじさんの農家で過ごしていました。そこへギュンターと言う難民の少年がやって来ます。ある日曜日、ふとしたことがきっかけでギュンターを仲間の男の子達と一緒にひどくいじめてしまいます。

ギュンターが土地を追われた難民の子どもで、普通の様子とは違っていて、遊ぶ時には邪魔だったからです。

いじめが大人にばれるのをおそれた仲間のリーダー・レオンハルトは、口封じのため「あいつを殺そう」と言い出します。

あの時代、手本となるべき大人たちの悪行を耳にした少年たちが、「大人たちだってやったじゃないか。なぜこどもがやるのはいけないのか?」と。少年たちは、戦争で大人はたくさんの人を殺しているじゃないかと言いあい、さらに、「殺した相手が誰ならよくて、誰ならよくないか」と。少年たちは故郷を追われた難民で少し障害のある子ギュンダーを標的にします。

フレディの後悔と不安の日々、そんな彼にリーダーからの圧力がかかります。

両親と離れて親戚の家で暮らしていたフレディですが、彼には相談する相手がいました。隣家のルイーゼには企みを阻止するための助力を頼めました。姉に手紙を書くことで気分が晴れることもありました。年上のいとこのフリッツには現実を厳しく指摘されました。

そして、復員兵のヴィリーからは、自分たちの計画の恐ろしさを理解させられ、自分が取るべき行動を諭されます。

助けてくれる人がいる。真っ当な方へと導いてくれる人がいる。

子どもたちのあいだの同調圧力といじめ、大人が果たすべき役割…現代にも通じる問題を、戦争の影の下に描き出した一冊です。