おはようございます!本日は、
『保健室経由、かねやま本館。』松素めぐり著(講談社)です。
・・・ずっとクラスの人気者として生きてきた中学生の佐藤まえみ(通称:サーマ)が主人公。
父親の異動に伴い、夢の東京生活が始まりました。しかし、東京生活になじめなかったのか、兄の慈恵は突然不登校に、サーマも東京でもうまくやっていけるって信じてたけど、「サーマって、なんていうか……ちょっとしんどい」と、仲良しグループにはじかれて・・・。
学校に行きたくないけど、両親に心配されるから休みたくもない。葛藤しながら保健室に向かい、扉に手をかけようとした瞬間、「ちょっとちょっと、あんたはこっち!」と手招きしてきた白衣の銀山先生に導かれ、いぶかしみながらも保健室の隣の「第二保健室」で休むことになります。
その地下にあったのが、中学生専門の湯治場!「かねやま本館」でした。
銀山先生って何者? かねやま本館って何? 温泉にはどんな効能が?「疲れたら、休んでもいいんだよ」って、場所の出現です。
そろそろ湯治場が欲しくなる季節になりましたが、with コロナの現状下、こんな作品を紹介してみました。学校の保健室が温泉の入り口になっているというおもしろい設定のファンタジー。中学生のそれぞれの悩み、クラスの雰囲気や自分の立ち位置、空気を読んだり顔色うかがったり、友達との距離感だとか。そういう学校生活のリアルが、とても丁寧に繊細に描かれています。
「疲れたときは、しっかり休息する。おいしいものを食べる。元気が出たら、またがんばる。その繰りかえしで、人は生きていけるのさ」と銀山先生の言葉。物語そのものが良質な温泉のようにじわじわ心に効いて、ほぐしてくれます。お楽しみください。
